アウトプットが必要な時期だったようです。
さて、ドローダウン時においては、それが想定内の範囲にある以上は
検証した条件(元々の投資資金)で投資を継続すべきですが。
そのために2つ前の投稿でドローダウン時用の資金をプールしましょうとお伝えしました。
続いて、希望通りに利益が乗ってきた時に、ドローダウン許容額をどのように決めるのか、
賭博型と堅実型の2種類のタイプをご紹介しました。
もちろん、あくまでも例であり、これがベストと言うわけではありません。
儲けについては従来のドローダウン許容率に係数をかけるなど、
積極側にも消極側にもお好みで変更できます。
さて、前の投稿で示した投資額と利益額、ドローダウン額の表ですが、
ご覧になってお気づきの点があろうかと想います。
この表ですね。
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投資額が増えると、それにほぼ比例して利益もドローダウン(簿価・時価)も増えています。
これは、1銘柄あたりの投資額を総投資額の約4%と設定した『定率法』だからです。
500万円の資金で投資していれば1銘柄あたり20万円で25銘柄に。
1000万円の資金で投資していれば1銘柄あたり40万円で25銘柄に。
元本が2倍になれば、投資する銘柄はほぼそのままに、投じる金額が2倍になるのですから、
利益も損失もそのまま2倍となる計算です。
それに対して、
元本が300万円の時は1銘柄あたり30万円で10銘柄に。
元本が600万円の時は1銘柄あたり30万円で20銘柄に。
元本が900万円の時は1銘柄あたり30万円で30銘柄に。
このように投資する銘柄数を増やしていく『定額法』という考え方もあります。
定率法を検証していた時点からかなり戦術・戦略のブラッシュアップは進んでいるため、
ドローダウン率など大きく改善しています。
そのため直接の比較は困難ですが、元本が増えた際の利益や
ドローダウンの増減を確認していただきたいのです。
元本 | 勝率 | 平均 | 合計 | 最大DD | 最大DD | PF | DD/元本 | DD/元本 |
損益 | 損益 | 簿価 | 時価 | 簿価 | 時価 | |||
千円 | % | 円 | 千円 | 千円 | 千円 | % | % | |
5,000 | 63.5 | 4,765 | 7,772 | 442 | 523 | 1.74 | 8.8 | 10.5 |
6,000 | 62.7 | 4,387 | 8,120 | 440 | 661 | 1.67 | 7.3 | 11.0 |
7,000 | 62.7 | 4,422 | 9,176 | 508 | 752 | 1.68 | 7.3 | 10.7 |
8,000 | 62.0 | 4,260 | 9,718 | 512 | 910 | 1.66 | 6.4 | 11.4 |
9,000 | 61.8 | 4,310 | 10,802 | 577 | 956 | 1.68 | 6.4 | 10.6 |
10,000 | 61.9 | 4,151 | 11,271 | 575 | 1,134 | 1.67 | 5.7 | 11.3 |
11,000 | 62.1 | 4,138 | 12,082 | 579 | 1,224 | 1.68 | 5.3 | 11.1 |
12,000 | 61.6 | 3,858 | 12,067 | 689 | 1,105 | 1.62 | 5.7 | 9.2 |
斉藤正章氏の著書にも記載されている内容ではありますが、
運用している戦術が有効であればある程に。
特に『優先順位』が的確であればある程に。
基本的に投資する『銘柄数』が増えると、
成績、特にプロフィットファクターは悪化する傾向にあります。
表をご覧いただくと、資金が増加するにつれて、プロフィットファクターの値が
徐々にですが低下しています。
なので、現在私が運用している戦術・戦略においての
銘柄選択時における優先順位のフィルターが機能しているとも言えます。
なぜそのような結果となるのか。
まあ、当たり前と言えば当たり前ですよね。
優先順位が有効に機能していれば最も成績が良いのはトップの銘柄。
トップ100銘柄に分散するよりも、トップ10銘柄に。
トップ10銘柄に分散するよりも、トップ3銘柄に。
少数精鋭に絞った方が成績そのものは良好なのです。
ただし。
集中投資による破産の危険を回避できるのであれば。
一方で、最大ドローダウン(簿価)は、銘柄数を増やすことで
その率は低下するので、この傾向も活用したいのも正直なところ。
最後に考えたいのは『継続』ということ。
出てきたシグナルを自動発注出来る手段を持っているならともかく、
手作業で発注を行うのであれば、一日に可能な発注銘柄数は有限のはずです。
例えば、一日に500銘柄発注するという選択肢が最も有利という検証結果が出たとします。
さて、毎日、そのシグナルに従って発注作業をすることが出来るのでしょうか?
1銘柄あたりの発注時間を短く見積もって30秒としましょう。
すると、500銘柄で250分、約4時間強です(苦笑)
…少なくとも私には無理です。
私の場合は、現在日に約30銘柄程度の発注を行なっていますが、
仕事で疲労コンパイル状態ですとそれでも結構厳しいです(苦笑)
例えば、50万円の資金で投資を開始したとします。
ドローダウンの許容率を20%とすると、40万円を投資に充当し、
10万円は口座内でドローダウンに対するプール資金に。
その上で、戦術の性質にもよりますが、信用1.5倍を利用して
40万×(1+1.5)=100万円で投資するとします。
(最大DDが10%程度の戦術として)
当初は10万円10銘柄、15万円7銘柄~20万円5銘柄、25万円4銘柄
といった程度の分散から開始するのが望ましいと考えられます。
(5万円20銘柄だと買える銘柄が余りにも小型で逆に値動きが粗そうです)
投資の利益と元本の積立によって、資金が100万まで増えたとすると。
先ほどのドローダウン許容率から80万円を投資に充当し、
20万円は口座内でドローダウンに対するプール資金となります。
同様に信用1.5倍を利用すると200万円が投資資金となりますね。
ここまで来ると、
15万円13銘柄、20万円10銘柄~25万円8銘柄、30万円7銘柄
までは分散可能となるでしょうか。
発注する銘柄の数も多すぎないため、まだまだ作業は楽な範囲だと思います。
更に、状況が良い方向に進み、資金が300万まで増えたとすると。
先ほどのドローダウン許容率から240万円を投資に充当し、
60万円は口座内でドローダウンに対するプール資金となります。
同様に信用1.5倍を利用すると600万円が投資資金となります。
すると、
20万円30銘柄、25万円24銘柄~40万円15銘柄、50万円12銘柄
までは分散可能な範囲だと考えられます。
実際のところ、私が運用している戦術・戦略において、
1つの戦術から発注する銘柄は5銘柄~10銘柄程度です。
従って、30銘柄に分散しようとすれば、戦術は少なくとも3つ以上を
組み合わせている必要がありますよね。
斉藤さんの著書等から戦術の種類としては
・急落逆張り
・押し目買い
・戻り売り
・順張り買い
・順張り売り(ヘッジ目的)
・デイトレ(短期)買い
・デイトレ(短期)売り
といった分類をされているようですから、
7種類×5銘柄or10銘柄の35~70銘柄での運用が
手入力での発注であれば適正な範囲と考えられます。
従って、資金が少ないうちはDD率が低く資金回転率の高い戦術を中心に。
そこから資金が増えてくるに従って、順張り系の中長期保有戦術を組み入れながら。
最終的にはヘッジ目的の戦術も取り入れて。
50銘柄程度に分散まで到達したら、
後は資金の増加に合わせて1銘柄あたりの投資額を増やしていくのは如何でしょうか。
私自身は、現在1銘柄あたり30万円前後の投資額で検証とシグナルチェックを
実施していますが、最近は100株単位の銘柄も増えてきたことも在り、
東証1部の有名銘柄が出てくることがちょこちょこあります。
早く1銘柄あたり50万円程度で運用可能となるように資金を増やして行きたいですね。
自らのDD許容率、保有する戦術の性質、許容可能な作業量、タイミング・・・
一人ひとり異なっているからこそ、最適解を定めることはできないのでしょう。
全ては『バランス』が適正となるよう、自らの立ち位置と状況を見つめながら
『退場』となることの無いように焦らず歩んでいきましょう!!
PS
この年始からの上昇トレンドで、一時は3000万まで資金を増やした人が
この下落で一気にマイナス1500万円(借金状態)になったというお話が
2ちゃんねるのまとめブログに掲載されていました。
http://blog.livedoor.jp/corez18c24-puls/archives/27488830.html
それに対して、5月11日に投稿したブログにおいて、
日経先物のバイアンドホールドで、楽に、効率よく稼げていたはず、
という仮定のお話もさせていただいていました。
http://risutemtrade.blogspot.jp/2013/05/blog-post.html
そりゃ、これからも一本調子で株価が上昇し続けるならば。
レバレッジの高い日経先物やオプションを利用して稼ぐのが効率は良いでしょう。
なんせ、テコ効果が大きいわけですから。
ですが、市場は生物。
次の瞬間に何が起こるかはわからないわけです。
適正なレバレッジ。
適正な戦術の組み合わせによる戦略の構築。
そして、ブレない自らの心の在り方。
一足跳びに自らの最適解に至ることは、少なくとも私にはできません。
一歩ずつ、一歩ずつ。
歩を進め、足場を固め。
将来の望ましい姿を描きながら進んでいきたいと切に願います。
愛する家族のためにも。
皆様にとっても素晴らしい6月となりますように。
ねこねこ 拝
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